ハノイ市の社会的隔離の様子
2020年5月の社会的隔離政策の成功で1年ほど感染が落ち着いていたベトナムですが、2021年6月からじわじわ感染者が増加しはじめ、7月からはホーチミンでは移動制限で外出が極端に制限されていますが感染者の増加が収まらず、ハノイ市でも7月19日にホーチミンと同じ政令16号が発令され、さらに7月29日は2434/UBND-KTがより厳しい移動制限の政令が発令されているところです。
では、実際にハノイ市の生活はどうかというと、町のお店は薬局とスーパーマーケットぐらいしか空いておらず、移動制限を監視する公安の検問所が設置されているのでほとんど外出することは不可能な状態です。重要な業務である場合や生活に必要な物資の輸送等で発行出来る通行証を会社で作成することが出来ますが、それには「感染の原因となった場合は会社が責任を取る」という文章が入るので中々その通行証に会社のハンコを押しづらいということもあります。
検問所がたくさん設けられてからは基本的に住んでいる地域内で生活必需品の購入が必要で、いつも行っている日系のスーパーに買い出しに行くことが出来なくなっている人などもいて、日本人にとってはより厳しい生活だと感じています。こういう状況ではベトナムと日本の社会制度の違いを感じることが出来ます。国民全体の利益を優先させるため、個人の自由は認めない社会主義はコロナ感染防止ということについては成果が出しやすいのかとも考えられます。
実際、弊社でも8月からすべてのスタッフを在宅勤務としております。日本語学習は5月からオンラインに切り替えているので状況は変わりませんが、生徒の学習環境が日本語センターで学ぶよりもを悪いことと、日本語の上達はモチベーションの低下が否めず上達速度が落ちているのが現状です。
日本ではワクチン接種が進み、今年後半から来年にはコロナ前と同じまでとは言わないですが、回復すると見込んでいるのがおおよその人の見解でしょう。しかしここベトナムではなかなかワクチンの接種も進まず、日本に比べても遅れていると言わざるを経ません。去年に比べて求人も増えてきている状況ですが、募集活動がすべてオンラインになっていることや、地方農村部では家族の同意が得られない人やそもそも世界的感染が現在も収まっていない中で外国に行って働こうという考えの人が少なくなってきているのが現状です。
現在の求人から募集、採用面接は以前の集団面接から採用者を決定する方法から、求人票から募集活動を行っている最中で応募者が数人集まった段階で随時面接をする方法に代わってきています。これは今まで現地で採用面接を行っていた企業のご担当者様の来越に合わせて応募者を集めて一日で行うことが原則だったことが、オンライン面接で渡航にかかる問題や時間的な制約も現地面接よりもオンラインの方が融通がきくことが大きいです。
求人から採用までにかかる期間が通常2週間くらいだったのが現在では1か月から2か月程度かかるようになりました。ですから、技能実習生の採用をお考えの方はより前倒ししたスケジュール感が必要になってきております。
また、先日発表された大手を含む送り出し機関13社の送り出し停止措置も影響があると思います。日本政府がこの13社の送り出し機関の失踪率を問題にて停止措置となりましたが、失踪率よりも高額の手数料問題や、この13社のバックにいた政治家が人民委員会選挙で落選したことでベトナム労働省側からの意向もあると言われています。
これを受けて最近の大手送り出し機関は本当に手数料を下げてきています。今まではいろいろな名目で費用(手数料)を徴収してきましたが、今後はこの手数料についての問題は下がっていくのではないかと思います。これは労働省の強い意志もそうですが、先に政府監査局が強い口調でこの実習生問題を批判したことで労働省もこのままではいかないと感じたからでしょう。このタイミングでDOLABの大臣が変更になり、今まで大手送り出し機関に便宜を図っていた人から新任の大臣になったことで過去の経緯も清算された部分もあるのではないでしょうか。
手数料の問題が実習生にとって負担減少したことで日本で働きたいという人も増えてくると思いますがコロナの状況が落ち着いたらと思っている人が多いのが現状だと思います。
日本企業にとっても実習生にとっても環境は以前よりも改善したけどコロナ感染拡大となってしまったので募集しずらい状況が今の現状であると思います。
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